ネガティブ思考力|読書が苦手な読書家の読書感想文(書評ブログ)

ネガティブ思考力

ポジティブ信仰に一石を投じる書物



当ブログでも紹介する機会の多い「成功哲学本」や「自己啓発本」


私はこの手の書物を、幾冊と読んでまいりましたが、

その多くはざーーっくり言うと、「ポジティブになろう」
という系統に属します。



建設的な思考、前向きな心構え、というものを説き、
読んでいるだけで気分が高揚し、やる気がみなぎってきます。


私自身も、幾度となく気分が上がりましたし、
勇気を貰ってきました。

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しかし、多くの人がそうであるように、
その湧き上がった熱意は、1週間も続けば良い方で、
その時感じた情熱は、いつのまにやら平熱へ変わっています。



故に、人はまた違う成功哲学書を求めます。
そしてまた数日で熱は冷め・・・

という無限のループ。


これが成功哲学書の新刊が、書店に並び続ける理由のひとつです。



しかし、今回ご紹介させて頂く書物は、
そういった系統から大きく外れた「ネガティブ」がテーマの書物。


今までの書物は、全く違う切り口でアプローチされており、
成功哲学書マニア・ポジティブ信仰の方には、
雷に打たれたような衝撃を覚えるかも知れません。





書籍紹介15冊目。

個人的おすすめ度   ★★★★★
文章の読みやすさ   ★★★★★
内容の理解し易さ   ★★★★☆



どんな本なの?


心配性や不安症なので、毎日「心配すること」で忙しく、
生きるのが大変だよ、と感じている方に、

そして、そんな自分が嫌で、ポジティブになりたい、
前向きな性格になって、楽しく明るく生きたい、

とお考えのあなたに、是非オススメしたい書物です。

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こちらの書籍は、ざーっくり言うと、

・ネガティブがもたらすメリット
・ネガティブ(心配性・不安症)は悪いことじゃない
・ポジティブの弊害

といったことが書かれています。




著者は心理学者をなさっている方で、
数々の世界で行われた実験を例に挙げながら、
ポジティブのデメリット、ネガティブのメリットを説明してくれます。



誤解が無いように書きますが、こちらの書物は、

ポジティブを全面否定している訳でも、
ネガティブを全面肯定している訳でもありません。




本書には言及されておりませんでしたが、
私が本書を読んだ上で感じたことのひとつに、

ポジティブもネガティブも2種類ある。

ということがあります。



本書には出てきていない私の言葉で恐縮ですが、
ポジティブとネガティブは、


創造的ポジティブ」と「破滅的ポジティブ
創造的ネガティブ」と「破滅的ネガティブ



の4つに分類されると思われます。




本書では、ネガティブのメリットを説明してはいますが、

さすがに「悲観しすぎて落ち込んで、何にも手につかなくなるような、
破滅的なネガティブはダメだ」と言っておりますし、

創造的なポジティブのメリットについても言及しています。





本書では主に、

破滅的ポジティブの弊害と、
創造的ネガティブのメリット、


について言及していると、私は解釈しました。




まず第1章にて、ポジティブなのに仕事ができないなどの、
残念な人たちについての記述があります。


仕事に関して、前向きな姿勢で取り組み、その上自信もある。
なのに何故か仕事の出来としては悪い。
しかも同じミスも繰り返す。


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何故そうなってしまうのか、という理由としては、
一見、積極的に見えるこういった態度は、詳しくその人の仕事の取り組み方を見ていると、

内容としては、積極的に取り組んでいると見せかけて、
実は、非常に消極的な取り組み方をしている場合が多い、そうです。




詳しい解説は本書をお読みいただくとして、
簡単にいうと、そういった人たちは、ネガティブな気分になるのを極端に嫌うようです。


ある仕事に対して、「大丈夫かな・・・」「不安だな・・・」
といった感情になることは、誰しもに起き得ることですが、
そういった一時的なネガティブ感情になることすら極端に嫌う為、
見せかけのポジティブでフタをしてしまうのです。



つまり「大丈夫大丈夫♪なんとかなるさ」←何も考えていない
こんな状態。


しかし、「大丈夫かな・・・」「不安だな・・・」という
一見ネガティブに見えるこれらの感情は、
その仕事に対しての「真剣さ」とも捉えることができます。


不安になるのは、「その仕事を失敗したくない、上手くやりこなしたい」
という思い故、だからです。




全く自分に関係ない事象においてなら、
きっと緊張もしないし、不安にもならないはずです。

だって自分には関係ないことだから。
失敗しようがしまいが関係ないので、緊張もしないし不安にもならないのです。




つまり、仕事を成功させることに必要な準備ですら、
仕事ができないポジティブな人たちは、怠っているような状態なのです。





ポジティブの罠



心配性で、不安症で、ネガティブな方は信じられないかも知れませんが、
一般的に人は自分を「過大評価」する傾向にあります。

これは学生でも大人でもそうです。


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つまり自分はその物事において、
「自分は平均以上にできる人間だ」
と自覚しているということです。


しかし、実際のところ本当にそうなのかと言えば、
それは別問題です。


この現象をポジティブイリュージョンと呼ぶそうです。

言い換えれば、自分に自信があるという状態ですが、
これは避けるべき悪い状況なのでしょうか。



欧米の心理学者たちの研究では、
ポジティブ・イリュージョンのメリットが盛んに指摘されている。
もちろん、ポジティブ・イリュージョンのおかげで自信をもって
前向きにやっていけるという面があるのは確かだが、
そのイリュージョンのせいで現実を直視できないという問題が出てくる。
たとえば、過信しすぎて、油断をしたり、
自己改善が出来ないと言ったことがある。


2章 ネガティブの効用とポジティブの罠 より




しかもタチの悪いことに、能力の低い人ほど過信しやすい傾向にあるようです。


あなたの周りにも思い当たる人はいませんか?




最後に


いかがでしょうか?
とても面白いというか、興味深い内容ではないでしょうか?


心理学者さんらしく、実際に行われた実験データなどを示しながら
ポジティブとネガティブの人たちの傾向を教えてくれるというのが、
本書の基本構成になっています。



成功哲学書系を3冊以上読んでいる方
不安で不安で毎日たまらない、という方に
本書をオススメしたいと心から思います。





まだまだ紹介したい内容はございますが、
是非本編を読んでいただきたいと思います。



先に紹介した内容の他に、

・不安だからこそ上手くいく
・ポジティブな思考の取り入れ方
・不安をポジティブに活かす方法



など、不安症な方が読んでみたいであろう、
ポイントがテンコ盛りです☆


今まで様々な「ポジティブになろう」系の本を読んでもダメだった方、
一度、全く別の切り口の本書を読まれてみては、いかがでしょうか?


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個人的おすすめ度   ★★★★★

ポジティブ信仰に疲れている方におすすめです。




文章の読みやすさ   ★★★★★

良い意味で学者さんらしくない、柔らかい文章で非常に読みやすいです。
硬い言い回しや、難しい言葉はほとんど出てきません。
が、説明のための最低限の専門用語が出てきます。




内容の理解し易さ   ★★★★☆

全く難しくなく小学生から理解できると思います。
ただ、ポジティブ信仰の成功哲学書などを読んでいると、
より本書が身に染みると思いました。
しかし全くそういうのを読んだことがない、
という人もいらっしゃるので、そういう方も読むということで4つ星です。




2017.12.09 | コメント(0)このブログの読者になる更新情報をチェックする
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