勝ち続ける意志力|読書が苦手な読書家の読書感想文(書評ブログ)

勝ち続ける意志力


梅原大吾氏の第一作目の書籍



日本初の格闘ゲーム・プロゲーマー梅原大吾の初の書籍


この書籍は、ゲームの攻略本でもなければ、
ゲーム好きの人の為に向けて書かれたものでもありません。


ウメハラ氏の自叙伝的な構成ではありますが、
氏に興味を持っていない方でも問題なく読めます。





書籍紹介8冊目です。


個人的おすすめ度   ★★★★★
文章の読みやすさ   ★★★★☆
内容の理解し易さ   ★★★☆☆
再現性        ★★☆☆☆




格闘ゲームとは




ウメハラ氏といえば、格闘ゲームが好きな人なら、
知らない人はまずいないだろう、というほどのカリスマ的に人気のプロゲーマー。


格闘ゲームのプロゲーマーと聞いて、
ピンと来ない方もいらっしゃるでしょう。


なので、書籍紹介の前に、
ザックリとプロ格闘ゲーマーとはどんなものか、
という簡単な解説を。


必要ない方は、次の段落の<どのような書籍なの?>まで飛ばしてください。



格闘ゲームというのは、基本的には1対1で、いわば相手とケンカするゲームです。
パンチやキック、必殺技を当てて、対戦相手の体力ゲージを先に0にした方の勝ち。
ボクシングや、空手などの格闘技と思っていただければ。


有名な格闘ゲームは、
ストリートファイターシリーズや鉄拳、ヴァンパイアセイヴァー等々


ゲームのプロといいますと、どのような活動をしているのでしょうか。
基本的にはスポンサー企業がつくとプロと呼ばれています。


収入は、そのスポンサードを受けている企業からの固定給と、
出場した大会の賞金が主だった収入源で、
近年は[e-sports](エレクトロニックスポーツ)と呼ばれ、
海外ではなりたい職業1位になったりするほどの人気な存在です。


ゲームと言えば日本という気もしますが、
ことe-sportsとなると、理解度も含め、
かなり他国に出遅れを取っている、後進国な印象を持たざるを得ませんね。



ウメハラ氏は、近年は主にストリートファイターをメインにプレイしており、
ストリートファイター関連で2つ、
プロゲーマーとして1つ、
合計3つのギネスレコードを持っています。



2010年に「世界でもっとも長く賞金を稼いでいるプロゲーマー」として、
2016年に「ウルトラストリートファイターⅣでの最高ランキング」と
「最も視聴されたビデオゲームの試合」がギネスに認定されました。


この著書で、ウメハラ氏本人も触れていますが、
ウメハラ氏を有名にし、「最も視聴されたビデオゲームの試合」
となった動画は「背水の逆転劇」とyoutubeなどで検索するとすぐに出てきます。


ただ、これはさすがにストリートファイターを知らないと
凄さはあまり伝わらないかも知れません。


簡単に言うと、あと1発でもくらうと負ける状況から逆転勝ちしたという内容ですね。






どのような書籍なの?



勝負と言う世界に身を置きながら、何故ウメハラ氏は勝ち続けていくことができるのか。
単純に「勝つ」ではなく、「勝ち続ける」が本書のテーマ。


そしてこの「勝つ」というのは、格闘ゲームや、何かしらの勝負事においてだけではなく、
日常生活や、ビジネス面において十二分に応用が出来る、
いわば思考術とも言えます。



本書は、ウメハラ氏の自叙伝的な構成になっており、
基本的な流れは、幼少期から、プロに至るまでを時系列に追いながら、

・その時にあった物事、
・それに対しウメハラ氏はどう感じていたのか、
・それにどう対処していったか、など、

勝ち続けていく為にはどうするべきかのエッセンスが
本書全編に渡って散りばめられています。


「たかがゲームだろ?」と言わずに、
是非1度は読んで頂きたいと、心からオススメしたい1冊です。

あくまで私個人の感想に過ぎないかもしれませんが、
この世で成功する為の本質の核心を突いた成功哲学書だと思います。

大げさに聞こえるかも知れませんが、真面目にそう思います。




筋力をつけたければ筋力トレーニングを、
痩せたければそれなりの運動を、
人より強くなりたかったら人一倍練習しなければならない。
どれだけつらくても、それ以外に道はないと思う。
心だって、鍛えなければ強くならない。

中略

腹を括って自分の選んだ道を突き進む。
それはつまり、「自分をどこまで信じられるか?」
という究極的な自問に答え続けなくてはならないということだ。

第二章 「99.9%の人は勝ち続けられない」より





やはりなにか形を成せるほどの成功を得るには、
特別新しい視点や魔法のようなノウハウを持つことではなく。

ある程度、泥臭くも地道な道のりは必要なのですね。
基礎的な力は、自分自身で培っていく。


見えない努力をしていくことの大事さが、本書から伝わってきます。






行動することの大事さ




私は、臆病な性格の為、何か新しいことをするのは苦手です。

ただこれは私に限ったことではなく、
そもそも人間は自分の経験のない新しいことを始めるのは苦手なのです。


恒常性維持機能といものが人間には備わっています。
これは簡単に言うと、「現状を維持しようとする機能」です。

人間は現状を維持さえすれば、命に危険が及ぶことがないため
常に現状を維持しようとします。


この機能が抜群に強いため、多くの人は色々な失敗をしてしまいます。


ダイエットしよう → 失敗 or リバウンド
毎日運動するぞ! → 何かにつけてやらないで良い理由をクリエイティブに創造し挫折
毎日日記を書くぞ → 3日目以降が白紙

などなど。


まあ全て私の経験談でもありますが、
身に覚えのある方、きっといっぱいいらっしゃると思います。


新しいことに挑戦するということは、得てして失敗を恐れますよね。
そりゃあ誰だって、できることなら失敗せずに
成功したいに決まってます。


まずは変化すること
自分を変えるとき、変化するためのコツは、
「そうすることで良くなるかどうかまで考えない」ことだ。
もし悪くなったとしたら、それに気づいたときにまた変えればいい。
とにかく、大事なのは変わり続けることだ。
中略
失敗ばかり恐れ、何もしないというのが一番いけない。
中略
失敗を恐れずに行動しているかどうかは、
自分がいま止まっているかどうか、
前に進めているかどうかのいい指標にすらなると思う。

第二章 「99.9%の人は勝ち続けられない」より



どんな小さなことでも良いから1日に1つ成長できれば
立ち止まっていないと思えますよね。

いきなり高い壁は超えられません。
でも毎日1つずつでも足元にブロックを積んでいけば、
いつか壁の一番高いところにも手が届くのですね。






文章の読みやすさ   ★★★★☆

たま~に難しい単語が出てくるものの、
学者が書いた学術書でもないし、翻訳本でもないので
大変読み易く、スラスラと読めてしまいます。

専門的な話はかなり少ないものの、多少ゲームや麻雀の話があるので、
分からない人にはわからないかも、と言うことで星は4つにしました。



内容の理解し易さ   ★★★☆☆

特別難しいということはないものの、
やはり成功哲学系の話なので、響かない人には響かないかもしれません。
それは個人差ですので、しょうがないかと思います。



再現性        ★★☆☆☆

やはり世界一になり、ギネスブックに載る人だけあって、
非常にストイックであり、ウメハラ氏と同レベルのパフォーマンスをしようとすると、
とても高い志や集中力が求められます。
極めるということは何事においても生半可には真似できないことと思います。




2017.03.20 | コメント(0)このブログの読者になる更新情報をチェックする
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