本の読み方
以前にも似た内容の記事を書いたことがありますが、
先日(2017年4月6日)ニュースで速読についての
記事が上がっていたので、改めて本の読み方、
そして速読について考えてみたいと思います。
2016年にカリフォルニア大学の論文が発表されました。
その内容こそ「速読ができないことを科学的に証明した」です。

例えば、
速読のトレーニングに、「文字を読む際の目の動きを早くする」
というのがあるそうです。
しかし、論文では
「読書の時間の中で、眼球運動の重要性は10%以下、よって、
いくら眼球を早く動かせるようになっても無意味」
とあります。
次に、フォトリーディングという技術があります。
フォトリーディングとは、1ページを約1秒でめくっていき
写真を撮るようにそのページを頭に入れていく、ことのようです。
論文によれば、「フォトリーディングは不可能。人間の脳は何度も繰り返し読んで
理解を深めて良くようにできていて、早くページを捲っていけばいくほど
理解度は薄くなっていく」
最後に、「速読のチャンピオンにハリーポッターの最新作を呼んでもらう実験をしたところストーリーを全く理解できていなかった」
という感じの論文です。
勿論、反論も上がっているようです。
私は速読はできないというよりも、しないでいいという考えが大きいのですが、
勿論出来るようになれるならば、出来るようになりたいです。
早く読めるに越したことはありませんから。
なので、今一度速読がどういう感じのものなのか、見てみることにしました。
速読がしたいのだが
普通の人のレベルで、
最も早く読む人は、1分間あたり2000文字程度と言われています。
このレベルでも正直ものすごく早いです。
1分2000文字とは、文庫本の場合、4ページほどになります。
1分間で4ページです。
平均的なスピードは1分間400~600文字、
これは文庫本でいうと約1ページになりますので、
1分2000文字でも、十分に驚異的なスピードと言えますね。
1分1ページが平均なので、
300ページの本を読み終えるのに、
平均的な速さの読み方だと、300分かかることになります。
一方、速読をマスターしたという方はというと、
1分間で20000文字、
つまり300ページをわずか5分で読めてしまうそうです。
1分間で2万文字ということは、
1秒あたり333文字読んでいる計算になります。
平均的な人が1分で読む量を、1秒で読んでいるってことですね。

人が本を読むときは4パターンの眼球運動が行われています。
・文字を認識するためにその場に留まる「停留」
・停留で読み取った後、次の停留まで移動する「飛越運動」
・行の一番最後まで来ると、次の行の頭に飛ぶ「行間運動」
・解らなかったりすると、前の箇所に戻る「逆行運動」
この中で、文字を認識する工程は「停留」だけです。
この停留で認識できる文字数は、一般的には5文字程度、
最大値は「7文字」とされています。
1度の停留にかかる時間の平均は約0.2秒
なので1分間でできる停留の回数は、60秒÷0.2秒=300回
300回×7文字=2100文字(1分間に読める文字数)
となります。
う~ん、やはり先ほどの、一般の人が読める最大の数値になりますね。
ですが速読の人は1分間で2万文字読むんですよね・・・(;・∀・)
2万文字ですら常識を逸脱しているのに、
速読を研究している人の見解では、
人間が持っている視覚的認知能力は1分間に5万文字読むことも可能だそうです。
先ほどの停留は、0.2秒間に7文字認識するということでしたが、
単純な記号ひとつであれば、1000分の8秒で認識することが可能なそうです。
(映像を認識する場合は1000分の13秒かかるそうです)
60秒÷0.008秒=7500個(計算上1分間で認識できる記号の数)
先ほどの一度に認識できる「7文字」という文字数を
「ひとつの記号として捉える」ことができれば、
7500個×7文字=52500文字認識できることになる、とのこと。
いや~・・・・、無理っしょ(ヾノ・∀・`)ナイナイ
と思わざるを得ない・・・。
もちろん、認識できるっていうのは、あくまで「認識」ということなので、
認識=理解とはなりません。
理解できていないのなら、それは全く何も読まないということと同義です。
脳の使い方の違い
普通の人は、中心視野という比較的狭い視野で文字を認識するのに対し、
速読できる人は、中心視野の周りの、周辺視野という広い範囲の視野で
文字を認識しているそうです。
(周辺視野とは、簡単にいうと今見えている視界の隅の方にある情景で、
パソコンを操作していても、周りをペットや子供が走り回っていると
視界に入ってきます。そのことを指しています。)
この為、行の一番頭から最後まで、視点を動かさなくても済み、
少ない眼球運動で読んでいくことができ、
結果スピードアップにつながっている、とのこと。
また普通の人は、黙読したとしても、心の中で音読をしてしまい、
脳の「聴覚性言語野」という部分が活発に働くそうです。
これを心内音声化といいます。
この心内音声化が起きると読む速度が遅くなります。
速読できる人の脳波を調べると、この聴覚性言語野が全く活動していないそうです。
つまり、普通の人が「心の中で音読してから理解する」という工程をすっ飛ばして、
文字を直接イメージに変換できているのです。
普通の人でも訓練次第でこのような能力は、身につくと言われています。
む~・・・やたら難しそうということは分かりました(;・∀・)
しかし、このような神業的な速読とまではいかなくとも、
本を読む速度は上げることは出来ます。
次回、一般的な速読とは違った角度から切り込んでいる
速読の本をレビューしたいと思います。
本日も最後までお読み下さい、
ありがとうございましたm(_ _)m