今回ご紹介させて頂くのは、
苫米地英人著「まずは親を超えなさい!」
という書籍です。
親を超えろ、とありますが、
親と子の関係性についてや、
家族、家庭間の問題を主体にした書籍ではありません。
簡潔に言えば、
「自分を成長させ、より(物質的にも精神的にも)豊かになるための成功哲学書」
といったイメージです。
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書籍紹介13冊目です。
個人的おすすめ度 ★★★★★
文章の読みやすさ ★★★★☆
内容の理解し易さ ★★★☆☆
再現性 ★★★☆☆
目次
どんな本なの?
こちらは、脳機能学者である苫米地氏による、
コーチングの元祖と呼ばれる、ルー・タイス氏のプログラムを、
脳科学者である苫米地氏がグレードアップさせ、
初めての方でも読みやすく、実践しやすくした本です。
ルー・タイス氏の書籍も発売されておりますが、
400ページ超で、内容に関しても少し難しく、
いきなりでは挫折してしまう可能性がありますが、
今回ご紹介する書籍は、
初めてコーチング等に触れる方などに向けて書かれており
大変読みやすくなっております。
本書はこんな人にお勧めされています。
・実現したい夢や目標がある
・自分を成長させて、理想とする自分になりたい
・やりたいことがあったが、周りから反対されやれなかった
・今の仕事や収入に満足できていない
・家族、友人、男女などの対人関係で悩んでいる
・自分に自信が持てない
本書で紹介するのは、「機能脳科学」「認知心理学」の
最新の研究成果が基になっており、
・「騙されやすい」という脳の特徴を利用し
・「未来の記憶」をつくり
・「コンフォートゾーン」を高め
・あなたの目標を達成してしまう、
というプログラムです。
プロローグ より
現状に満足できていない方に、
より良い自分や未来を得るにはどうしたら良いのか、
科学的に解説した書籍です。
親が最大の洗脳者である!
「親が最大の洗脳者である!」
最初からインパクトのあるタイトルでプロローグは幕を開けます。
発達心理学によると、
人が大人になってから無意識に下す決断の8~9割が親の真似
といわれています。
つまり、タイトル通りですが、
多くの人はある意味で、親からの洗脳を受けて続けて成長してきた
といえます。
とすると「親を超えることはできないのか」「親と同レベルの生活しか送れないのか」
といった疑問や不安、あるいは不満といったものが浮かぶかもしれません。
先にネタバレしてしまうと、
本書を読めば、その親から受けた洗脳を解くことが可能となるかもしれません。
※あくまでも書評なので、「解くことができる!」と断言することは避けます。
まず初めに、本書で出てくる言葉で、
非常に大切なキーワードとなる言葉があります。
それが「コンフォートゾーン」という言葉です。
コンフォートゾーンとは、心地良い領域という意味合いです。
何事においても、自分にとって居心地の良い、
あるいは落ち着く場所、不安にならない空間、といったものがあります。
例えば、一流のセレブばかり集まるパーティーに行ったとすると、
「自分なんかがこんなところにいて大丈夫なのかな?メッチャ場違いじゃん」
とソワソワしてしまったり、
なにかの学年ごちゃまぜの学校行事(運動会とか)で、グループを作る時、
運悪く他のクラス生徒の中に自分一人だけ交じってしまったり、とか。
他のパターンでもあります。
有名な話では、
宝くじで大金が当たった人の約80%の人が自己破産している
ということは、一度は耳にしたことがあると思います。
これも、自分の力で扱える金額以上のお金を、
一瞬にして手にしたことにより
経済状況のコンフォートゾーンの外にはずれてしまった結果です。
本書は、このコンフォートゾーンは、
「最大の洗脳者である親によってもたらされた可能性が大きい」と述べています。
親が年収500万円の人は、年収500万円の「コンフォートゾーン」なので、
年収1億円になるためには、親の洗脳を解く必要があるのです。
プロローグより
他にも肥満の人がダイエットしても、すぐにリバウンドするのも
肥満体系がその人のコンフォートゾーンになってしまっているからです。
つまり、親からの洗脳で、
今のご自身のコンフォートゾーンが形成されてしまっており、
その現状に収まってしまっていると。
なので、今よりももっと成長したければ、
そのコンフォートゾーンの中から脱出しなくてはなりません。
本書では、その脱出方法を丁寧に解説しております。
セルフトーク
この書籍に書かれている方法は、一切お金や道具といったものを必要としません。
それが最大の特徴だと思います。
必要なものは、イマジネーションです。
あくまで、私が本書を読んで感じたことですが、
この手法は、決意ひとつあれば実行・実現可能な方法だと思います。
皆さまにも、昔経験した嫌な思い出って、いくつかありますよね。
それが時折、思い出したようにふっと頭に浮かんでしまうこと、ありませんか?
それで嫌な気持ちになってしまい、少しブルーになってしまったり。
「忘れたい記憶」と表現しても良いかも知れません。
忘れたいのに、何度も頭の中に蘇ってきてしまうので、
記憶も強く定着してしまい、もう忘れられない記憶になってしまっている。
そんな状態になっている方も、少なくないと思います。
その嫌な記憶というのは、大抵の場合、
何かに失敗したとき、上手くいかなかった時
というものが大半だと思います。
その失敗した直後や、後日そのことを思い出してしまった時に、
このように思った人いらっしゃいませんか?
「自分はなんてダメなやつなんだ!」
と。
このような自分への語り掛けを「セルフトーク」といいますが、
セルフトークは、セルフイメージ(自我)をつくると本書は述べています。
このセルフトークは1日に6万回程度しているとされ、
その内の約8割は、ネガティブな内容であるとされています。
セルフ・トークの大半は、ネガティブな内容です。
なぜネガティブ・セルフ・トークになるかといえば、
人間はたいていネガティブなことしか記憶に強く残らないからです。
中略
人間の学習は失敗から生まれます。
今でこそ成功に学ぶという方法論がありますが、
実際に何かを試みる場合はやはり失敗から学ぶことになります。
ユニット6 セルフ・トークで自己を高める より
簡単にいえば、「自分はダメなやつだ」という様な事を思っていると、
本当にダメなやつになっちゃうよ、ということです。
「ダメな自分」というのが、自分の中のコンフォートゾーンになってしまうからです。
以上のことから、このセルフトークをいかに制御・操るか、が
親からの洗脳を解くキーになっていることが、お察しいただけるかと思います。
したがって、私たちは自分のセルフトークをコントロールしなければなりません。
これが、マインドを変えるための原則のひとつです。
そうしないことには、私たちがセルフ・トークによって
コントロールされてしまうことになるわけです。
ユニット6 セルフ・トークで自己を高める より
要は、いかに自分にとって正しいセルフ・トークをするかが大切
ということを本書は伝えております。
ドリームキラー
もう1点、本書の特徴的な箇所を紹介して終わろうと思います。
本書のタイトルは「まずは親を超えなさい」です。
親とは、良かれと思ってアドバイスを子供に送りますが、
ときにそれが足かせになってしまうことがあるようです。
親に限らず、その人の夢を潰そうとしてくる存在を、
本書ではドリームキラーと称しています。
先生や友人などもそうですね。
簡単にいえば、自分が夢を掲げた時に、
「いや~君には無理だよ」
「もう少しレベルを落として、ここらへんを目指しておけば?」
という旨のアドバイスをくれる人たちは、皆ドリームキラーです。
要は、理想ではなく、現実的な夢を見ろ、と。
人は、どうしても他人から言われたことは無視できず、
「あ~そうかなー、やっぱり自分には無理なのかなー」
と不安になってしまいます。
そうすると、例え叶ったはずの夢でさえ
叶わずに終わることさえあるかもしれないのです。
これは、された経験がある、というかたも多いでしょうし、
振り返れば、自分もたくさんその様なアドバイスを送ってきたかも知れません。
私事で、さらに余談なのですが、
私の親はまさにドリームキラーと呼べる者でした。
吹奏楽部に入部して、決まった担当楽器を伝えた際に開口一番
「あ~、つまんねぇ楽器だよなーその楽器なー」
と言われたり、
小学生時代に好きなアニメの主題歌を歌っていると
「お前はどうしてそんなに歌が下手なんだ?」
と毎回毎回言われたりしました。
家族の話によると、それを言われ続けた結果、
私は一切人前で歌うことをしなくなっていったそうです。
あまり、当時のことは覚えていないのですが。
この他にもパッと思いつくだけでも、
とにかくブレーキをかけられるようなことが、
それはもうたくさんありました。
確かに、思考パターンが親と似通っているところもありますが、
私は親を反面教師として子供時代から見てきたので、
全く真逆に育ったところも多いですね。
なぜこのようなアドバイスをしてしまうのか。
このような、こちらの夢を潰したり、志気を下げるようなアドバイスを受けた際は、
どのような対処をすれば良いのか。
それは本書に書いてございますので、
ご興味を持って頂いた方は、良かったら手に取ってみて頂けると、
ご紹介させて頂いたかいがあります(*'▽')
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個人的おすすめ度 ★★★★★
今までにないタイプの成功哲学書であったため、
個人的には面白く読ませて頂きました。
成功者の一人語りなどではなく、
科学的なアプローチを感じる内容なため、
納得しながら読む区とが出来ました。
文章の読みやすさ ★★★★☆
専門用語が出てくるので、慣れない内は読みにくいかも知れませんが、
ひとつずつ解説もされているので、問題ないと思います。
内容の理解し易さ ★★★☆☆
上記と同様、専門用語があるため、1回読んだだけでは、
完全に理解することは難しいです。
私は4回ほど繰り返し読んでおります。
再現性 ★★★☆☆
決して難しいことはないと思いますが、
やはり継続して続けるには、それなりの決意が必要です。
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