成功哲学の原点的書物
今回ご紹介するのは、今までに世界中で星の数ほど出版されてきた、
不変の人気を誇る自己啓発、及び成功哲学というジャンルから、
あらゆる成功哲学系書物の原点、根源的な書物とされている、
ジェームズ・アレン著【「原因」と「結果」の法則】という書物です。
書籍紹介21冊目
個人的おすすめ度 ★★★★☆
文章の読みやすさ ★★★☆☆
内容の理解し易さ ★★★☆☆
再現性 ★★☆☆☆
新訳版
どんな本なの?何が書かれているの?
本書が執筆されたのは、今から100年以上も昔、
西暦1902年のことです。
著者は、英国生まれで「謎の哲学者」と称されるジェームズ・アレン氏
1世紀以上に渡り、今なお読まれ続けている歴史的大ベストセラーの書物で、
「聖書に次ぐベストセラー本」
「世界一読まれている自己啓発本」
とさえ言われています。
私自身、成功哲学系の書物をまずまずの冊数を読んだ後で、
本書を読んだのですが、新しく知ることは何も書いてなかったんです。
つまり、今まで読んできた本に書かれていることは、
本書の中に、既にすべて書かれていたということになります。
内容としては、いわゆる「成功哲学」になります。
万人を対象とした、「より良い人生を送るには」というような、
大きなテーマで書かれております。
細かいテーマとしては、健康、性格、環境、目標、成功という風に分かれてはおります。
何か一つにテーマを絞ったようなモノではありませんが、
ビジネスマンや学生、経営者、主婦(主夫)、芸術家、夢追い人・・・
全ての人がそれぞれの分野において、本書の内容を活用しすることができます。

不変的な法則
色々な著者の成功哲学系の本を読んできて、
「ここの部分はどの本にも同じことを書いているな」
と思った部分があります。
私たちの誰もが内心では手にしたいと考えている、気高い神のような人格は、
神からの贈り物でもなければ、偶然の産物でもありません。
それは、くり返しめぐらされつづけた、気高く、正しい思いの、自然な結果です。
「原因」と「結果」の法則 より引用
ほとんどの成功哲学系の書物は、簡単に言えばメンタル、
つまり心構えの重要性に、非常に重きを置いて説いています。
何故かといえば、心構えひとつで、
その後の人生が大きく変わるほどの影響が出るからです。
とある出来事に遭遇しても、心の持ちようで捉え方や対処の仕方が180度変化します。
例えば、大好きなお菓子を食べていて、
ふと中身を見たら、残り半分になっていた時に、
「やった☆まだ半分もあるぞ(*'▽')」
と思うか
「ちぇ、なんだあと半分しかないのか・・(・´з`・)」
と思うかの違いがあります。
同じ現象でも、心構えが違うと、その景色もまた違って見えてくるのです。
今はお菓子で例えましたが、
人生には決断を迫られる場面が幾度となく現れます。
その時に、どのような決断を下すのかは、
その時の自分自身の精神状態によって変わります。
前向きな心構えなときは、前向きな決断を。
後ろ向きの心構えのときは、後ろ向きな決断をしてしまうはずです。
その決断(原因)によって得られる結果は、
決して同じものではないはずです。

自分の置かれた環境さえも変える
自分の心構えは、とても難しいけれど自分の力で変革することができる。
これは、誰しもが納得する部分です。
どうしようもないのは、自分の置かれている現状、環境です。
こればかりは、他人が関わっている以上、
自分ではどうにも変えられない部分があまりにも大きすぎる。
そう思っている方がほとんどだと思います。
しかし、本書には
「自分を環境の産物だと信じているかぎり、環境によって打ちのめされる運命にあります」
「原因」と「結果」の法則 より引用
とされております。
これはにわかには信じ難いですが、アレン氏はこう続けております。
自分の心をしっかりと管理し、人格の向上に努めている人たちは、
「環境は思いから生まれ出るものである」ということを熟知しています。
なぜならば、すでにかれらは、環境の変化と心の状態の変化が、
つねに連動していることに気が付いているからです。
「原因」と「結果」の法則 思いと環境 より引用
つまりは、自分が置かれている環境さえも、
自分自身が生み出しているものに他ならないということです。
私自身、この点に関しては、自分が置かれる環境の全てが、
全部自身の思いから生まれるとは思っておりません。
やはり、自分の外から来る、避けようのないことも起きます。
しかし、確かに自分の力で変えることができる環境もあります。
人間には、現状を維持しようとする本能(ホメオスタシス)が備わっているため、
現状から良くなる悪くなるに関わらず、変化することを嫌います。
その為、行動を起こすことは、言うよりも簡単ではないのです。
結果として、環境はなかなか変わらない、というループが出来上がります。
これを打破する為の第一歩は、やはり心構えに行きついてしまいます。
本書は、その心構えが何たるかに特化して書かれた書物といって良いかも知れません。
総評
現在発売されている成功哲学系の本は、
本書から派生したもののように感じられる人もいるかも知れませんが、
今売られている本は、
現代に生きる著者が、現代に生きる人に向けて書いているため、
本書に比べ読みやすかったり、より実践向きだったりします。
しかし、本質的な部分は今も昔も、時代も場所さえも超えて不変であり、
本書を1冊読めば、他の成功哲学系の本を読まずとも、
事足りる人は少なからずいるはずです。
要は、この書かれ方が心に響くか、響きにくいかの違いだけだと思っております。
また、翻訳の都合もあるでしょうが、本書はやや詩的な表現もあり、
これが人によっては読みにくさの要因になっている気もします。
※私が読んだのは、緑色の表紙の方です。新訳版ではない方。
逆にこういった表現がお好きな方には、たまらなく読みやすい本だと思います。
本書に限ったことではありませんが、
本は1度読んだだけでは、なかなか頭には入ってきませんので、
2度3度と繰り返し読むことをお勧めいたします。
繰り返して読む価値のある良書です。

個人的おすすめ度 ★★★★★
どの本を読んでも良いのですが、
迷ったならまずは本書を読んでみることをお勧めいたします。
文章の読みやすさ ★★★☆☆
詩的な表現があり、翻訳本なので、やや読み難いか。
内容の理解し易さ ★★★★☆
難しいことは書かれていませんが、
翻訳本のため、日本人著書よりはスラスラと理解できないかも?
再現性 ★★☆☆☆
やはり自分を変えることは簡単ではありません。
新訳版