宮崎駿の知られざる名作
今や世界的アニメ監督として、その名を知らぬ者はいないと思われる宮崎駿氏。
その宮崎駿が描き下ろした絵物語「シュナの旅」はジブリ作品に比べて、
とても知名度が低いように思います。
本記事はそんな「シュナの旅」の魅力についてお話したいと思います。
マンガなの?小説なの?
本作は、249ページからなる絵本とマンガの中間のような作品で、小説ではありません。
見開き2ページで1つの絵のもあれば、マンガのようにコマ割りされているページもあります。
多くは、絵に文章が添えてあるのですが、吹き出しによってマンガになっているシーンもあります。
お子様でも楽しめる作品ですが、漢字にフリガナは振ってありません。
チベット民話の「犬になった王子」を元に、宮崎駿氏が描き下ろした作品です。
アニメ化をしたかったのですが、宮崎駿氏が「このような地味な企画は通るはずもない」
と断念したものの、「自分なりの映像化」をしたのが本作です。
「映像化」とありますが、DVDになっている訳ではなく、
「書籍化」という方がしっくりは来ます。
内容は?
作物が育たない痩せた土地の国に、シュナという王子様がおりました。
シュナは飢えた民を救いたい思いで、豊穣をもたらす種を求めて旅にでるストーリー。
「種」を探す過程でのドラマティックな展開が、まさに宮崎アニメともいうべき面白さ。
感想
宮崎駿氏は「地味な企画」と称しましたが、壮大で荘厳なテーマを感じました。
普通にジブリ映画を観ているような感覚になります。
確かに1冊で完結なので、やや足早に展開が進んでいく感じはありますが、
映画1本分の満足感があります。
ジブリの最新作として映画化をしてほしいと、個人的には強く思いました。